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クロはや


衝動のままに書いた!特に深い意味はない!

クロノとはやての新婚話。でもあんまり新婚感が出なかった……。
こういう話がダメな方はごめんなさい。
では、続きからどうぞー


「えへへー。」

過剰なほどに彩られた食卓を眺めながら食器を用意しつつも、口元の緩みが抑えきれない。
少々品数を作りすぎた感が否めないが、そんなことは気にしない。恋する乙女は盲目なのだ。

「あぁ~でも、もうちゃうねんな~。」

そう、もうこの気持ちは一方通行な恋ではないし、この身は、その、所謂乙女というわけではないのだ。

「ほんま、長い道のりやったで。」

恋する相手は真面目で鈍くてヘタレな彼で、
ようやく通じたら通じたで交際を認めてもらうまでに家族と彼は幾多の死闘を繰り広げ、結婚を報告したら家族と彼は死闘を繰り広げ、二人で住むと言ったら家族と彼は死闘を繰り広げ、そして、そしてようやくここまで来たのだ。

「えへへへ~。」

ニヤケ具合は最高潮。
こんな顔、部下どころか十年以上の付き合いである親友達にも見せられない。
守護騎士達に至っては多分心配すらされてしまう。
だが、そんな懸念は無問題。
なぜならば、ここには誰もいない、これから帰ってくる愛しの彼ただ一人以外はいないマイホームなのだ。
と、思い返してはニヤけるを繰り返していたはやての耳にピピピと着信を告げる電子音が届く。
見ればクロノ・ハラオウンの名が表示された携帯が空気も読まずに振動を繰り返していた。この表示も結婚してから“ダーリン”と出るように設定しようとしたのだが、クロノ本人に懇願され渋々承諾したのだが、実はメールではしっかり差出人がダーリンとなるようにしている事を彼はまだ知らない。

「もしもーし、あなたの可愛い可愛い奥さんやでー。」
『すまない、はやて。』

愛ゆえのボケを冷静にスルーする彼の表情は真剣そのもの。
その表情を見るなり、緩みに緩んでいた頬が引き締まる。

「どないかしたんか?」
『あぁ、さっき広域手配中の容疑者を捕縛してね。ちょっと、今日はすぐには帰れそうにないんだ。』

すまない。と申し訳なさそうに彼は目を泳がせる。
その仕草が叱られた時の子供のようで、その可愛らしさに先程までとは別の意味で頬が緩むのを感じた。

「気にせんでええよ。お仕事頑張ってな、ダーリン。」
『だから、その呼び方は勘弁してくれ……。』

よほど忙しい合間をみて連絡してくれたのだろう、それだけ言ってクロノは慌ただしく通信をきった。あの様子では今日中どころか夜が明けるまでに帰ってこられるかどうかも怪しいところだ。

「まぁ、しょうがないなぁ。」

彼も自分も管理局で世界を守る身だ。
こんなことはこれから何度もあるだろうし、なんなら立場が逆の場合もあるだろう。
散々妄想したあとで余計に寂しく感じるが仕方のないことだ。
そうはやてはポジティブに結論付け、ラップを手に取り彼が帰ってきた時のために片付けはじめるのであった。



―◇―◆―◇―



「すまない今日もちょっと遅くなりそうなんだ。」

「急に査察が入ることになって……。」

「ごめん、出資者の方との懇談が今日はあるんだ。」

「まだ書類が残ってて。」

「部下の一人が相談があると言っててな……。」



―◇―◆―◇―




「ありえへんやろぉーーー!」

バタバタと枕をベットに叩きつけ、涙目になって叫ぶがそれを聴く者も咎める者もここにはいない。
むしろ、それがいないから彼女はこうして荒れているのだ。
一週間。
結局クロノは一週間なんだかんだと遅くなり、ほとんど顔すら合わせずじまい。
これは無い。新婚としてこれはありえない。

「うー!うー!うぅー!」

うつ伏せで両手両足をばたつかせこの言いようのないストレスからくる衝動のままに暴れまわる。無論、こんなことではちっとも解消される事はないのだが。

「ありえへん、ありえへんー!」

確かに、仕方のないことだ。わかっている、理解している、承知している。

「クロノ君のアホー!仕事バカー!阿呆ー!朴念仁ー!あほー!」

それでも、そうと分かっていても、これではあまりに、寂しい。

「あほぉー……。」
「いや、本当に言い訳の一つもできないな。」

跳ね起きた。
そのまま転がり落ちるのではないかというぐらいの勢いで、飛び上がった。
声の主は聞き間違えるはずもなく黒髪の青年。

「クロノ君……きょ、今日も遅くなるんやなかったん?」
「いい加減我慢できなくなってきてね、半ば無理矢理切り上げてきたよ。君と最近食事も一緒にできなかったからな。」
「…………っ!ふーん!今更遅いで、はやてさんはクロすけさんにカンカンなんや!」

くやしい。あまりに悔しいので布団を頭からかぶって、先程以上に自分でも訳のわからない罵倒を繰り返す。さっきまであれだけ恨めしく思っていたくせに、顔を見て一言言われただけで全部許してニヤけそうになっているのが悔しすぎる―――!
そんな巣穴に逃げ込む小動物のようなはやてを、頬を緩ませながらクロノは後ろからそっと抱きしめる。

「ごめん。」
「……反省しとる?」
「あぁ。」
「私、めっちゃ寂しかったんやで?」
「本当にすまない。あれだけアホと言われても仕方ないと思ってる。」
「ほんまや。」
「あぁ。」
「うん、ええよ許しちゃる。」
「いいのか?」
「うん。あ、でも―――」
「なんだ?」
「もっとぎゅっとしてくれたら、もっと許せる気になるかなー?」
「……あのな、はやて。」
「ん?」
「それは多分僕が得しかしない。」
「そんなことないよー。私もクロノ君にぎゅっとしてもらって幸せやで。」
「……そうか。」
「そうや。」

ゆっくりと、お互いの顔が近づいていく。吐息が届く距離までゆっくり、ゆっくりと近づいていき。くきゅるという可愛らしい音が寝室に響いた。

「あ。」

布団の間から目と目が合い、二人して吹き出す。
クロノはバツの悪そうに頬をかき、はやては彼の可愛い仕草がツボに入ったのか、今までの甘い雰囲気も忘れて声を出して笑う。

「アハハ。先にご飯にしようか。」
「ありがとう。それと、はやて。」
「んー?」

羽がついたかのように軽やかな足取りでドアへ向かうはやてを、クロノが呼び止める。

「愛してる。」

この一週間、はやてが一番聞きたい人から一番聞きたかった言葉。
それに彼女は憑き物の落ちたかのように健やかな笑顔で応えた。

「私もやで、あなた。」



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