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クロフェSS

なんか書きたくなったから衝動的にクロフェが書きたくなったけど、微妙にアリシアの方が主役になっている気がする。短いですが、お暇な方は続きからどうぞー
 他人に控えめな性格のフェイト・テスタロッサが胸を張って人に言う、数少ない自慢の一つに朝寝坊をしたことがないということがある。寝起きもぐずぐずせずにすぐに動き出せるし、何より眠りから覚めることを苦痛に感じたことがないのだ。
まぁ、冬場はちょっとだけ布団のぬくもりが名残惜しい事もあったが。
 そんな彼女が朝起きてすることは二つ。一つは朝食を作っている母の横で一緒に昼のお弁当を作ること。そしてもう一つ。

「アリシア、起きて。ご飯できたよ。」
「う~、後五分……。」
「だーめ。ホラ、起きて!」
「今なら洗剤つけるからぁ……むにゃぁ……。」
「いらないから。ほら!」

ぐずる姉の布団を剥ぎ取り、カーテンを開け無理やりに朝日を浴びせる。清々しい朝日を受け、しかしさながら吸血鬼のように光に悶えるアリシア。いつものことではあるのだが、流石に15歳になる姉のこの姿はちょっと将来が心配になる。
最近読んだマンガでは生活力0の女の子とその世話を焼く主人公の話があったが、しかし現実ではそこまで面倒を見てくれる人間などいない。いや、本当にいざとなれば自分が面倒を見るのもやぶさかではないのだが、来年からようやく中学生に上がる身で姉の介護をなぜ覚悟しなければならないのか。

「ん~、どうしたのフェイト?」

 そんな朝からこちらがへこみそうになる想像などしているとも思っていない彼女は、暴れてようやく頭が覚醒したようで上半身を起こし―――それでも眠そうに眼をこすりながら―――考えたくない未来図に眉間にしわを寄せるフェイトを見やる。

「何でもないよ、おはようアリシア。」
「うん、おはようフェイト!」

にぱっと、挨拶返してきたその顔は、先ほどまでのぐずり様がまるで嘘のような快活な笑顔だった。



―◇―◆―◇―



フェイトとアリシアが通う小学校と中学校は隣接している。必然、学校へ向かう通学路も同じになるので、姉が中学へ上がってからも、仲睦まじく姉妹並んで登校するのがいつもの習慣である。もっとも、妹に身長を抜かれたアリシアが並んで歩くことを嫌がったのが原因で、近所を巻き込む大喧嘩となったのは割りと最近の話ではあるのだが。

「でもさ、フェイトはもちょっとゆっくりでも良いんじゃない?」

 歩きながらアリシアがポツリとつぶやいた。
 現在7時50分、学校まで大体20分ほど。アリシアの中学校の朝礼は8時30分からなので余裕を持ってちょうど良いぐらいの時間だが、フェイトの方の朝礼は9時からだ、早めにと言うにもちょっと早い。

「え?う、うんそうかも。でででもほら、アリシアと一緒に学校行きたいし。」

 露骨に挙動不審になる大きい妹をニヤニヤ顔で見る小さい姉。アリシア自身問いかける形になったものの、その答えは知っているしこの可愛い甘え下手な妹が素直に答えるとも思ってはいなかった。

「あ、クロ―――」
「え!?」
「―――マニヨン人って身長が180cmぐらいあったんだってね。」
「……………!」

 反応が可愛いのでちょっとからかうつもりであったが、どうやらこちらを怒るよりも引っかかった恥ずかしさの方が上回ったらしく、真っ赤になって俯いてしまった。
 やばい、私の妹超可愛い。と下から見ているため丸見えになってるその表情を見ながらニヤツいていたアリシアだったが、ふと前方に気配を感じ足を止める。
 しかし、当然下を向いている上に頭がのぼせ上がっているフェイトにそんな気配を感じるような真似は出来ず、ノーブレーキでその人物の背中へ突っ込んでいった。

「ふぎゅ!?」
「おわっ!」

背中への唐突な衝撃に驚き振り返る黒髪の少年。

「……どうしたんだフェイト?」
「くくくくくろの!?」

 ぶつかってきたのが良く知る少女と分かり呆れたように問いかけるクロノと、ぶつかったのがよく知っている少年と知って先ほどの比ではない程に真っ赤に茹で上がり慌てふためくフェイト。

「あわわわあのあのクロノ!」
「う、うん?」
「おは、おはよう!!」
「あ、あぁ。おはよう。」
「おっはー、クロノ。」
「アリシアもおはよう。フェイトはどうしたんだ?」
「なんでもないよ。ねーフェイト?」

 ぶんぶんと猛烈な勢いで首を上下に振り肯定するフェイトに多少気おされながら「そうか。」ととりあえず納得するクロノだが―――挙動不審すぎる―――フェイトを心配そうに見ている。
 そんな二人の様子を見て取りチェシャ猫笑いを浮かべるアリシア。無論、二人は気がつかない。

「あー、そういえばフェイト、朝に今日はなんだか学校行きたくないって言ってたねぇ。」
「……そうなのか?どこか悪いのか?」
「っていうか気分的な問題みたい。」

 突然この姉は何を言い出すのか。
 根も葉もない虚言に言葉もなく呆然とするフェイトをよそに二人の会話は続いていく。

「珍しいなフェイトがそんなになるなんて。」
「まぁ、女の子だからね。そんな気分の日もあるんだよー。」
「そうなのか、まぁ君は普段が真面目すぎるからな。」
「うんうん。そんな訳でクロノ、今日は昔みたいにフェイトと手を繋いであげてよ。」

 本当に本当に本当に何を言い出しているのかこの姉は。
 既に臨界点を超えようとしているフェイトになんという追い討ちをかけてくるアリシアの表情はこれ以上表現しようのないくらいのニヤつき具合だ。
 そんな彼女の悪い表情にもクロノは気づく様子もなく、しばらく悩むような仕草で唸っている。もう何年も付き合いがあるとは言えフェイトも年頃の女子だ、彼女も中学生の男と手を繋ぐ事に抵抗感はあるはずだ。その上彼女は意外と負けず嫌いなところもある。あまり年下の子供扱いするのは果たして彼女のプライドが傷つかないだろうか。
 とはいえだ、同じように彼女が些細なことでよく不安がる事も間々あるのも事実である。となれば今日も何か悪い夢でも見たのかもしれないし、朝アリシアが何か不安にさせるような事を彼女に言ったのかもしれない。
 となれば、彼女が嫌がらないのであればそれも良いのかもしれない。そう結論づけたクロノは、

「そうだな、昔はいつもこうして登校してたしな。」

 そう言ってフェイトに手を差し伸べた。

「ふぇ?え、あ、ぅ、えぇ?」

 ここに来てフェイトの混乱具合は最高潮。クロノの手を凝視してクロノの顔を見て意味もなく周囲をキョロキョロ見渡し、またクロノを見てアリシアを見、最後にまたクロノの手に視線は戻り、おずおずとその手を取った。

「よ、よろしくお願いします。」
「あぁ、じゃあ行こうか。」

 歩き出す二人。と言ってもクロノに引かれる歩くさまは本当に兄妹のように見える。現場に居合わせた他の生徒たちからしてみれば微笑ましいやら、むず痒いやらで、中には壁を殴りつけているものさえいるが、二人がそれに気がつくことはない。

「おっす、アリちー!今日もフェイトちゃんラブラブ大作戦は順調かね?」
「おいっすエミっち。うん、順調順調。にししし!」

 クロノとフェイトの後方でほくそ笑む二人組、アリシアとエイミィにも彼ら二人が気がつくことはない。彼女達的にはクロノにはそれに気が付くぐらい人に敏感になって欲しいところではあるが、今はまだ鈍感なままで進化の気配は皆無である。現に今もアリシアがけしかけたドキドキ作戦もフェイトばかりが舞い上がり、クロノは変わらず妹に接するぐらいの気持ちだろう。
 だが、そろそろどうにかしなければならない。とアリシアは密かに決意を新たにする。
可愛い妹の恋を成就させるために、姉はいかなる手段も辞さないのだ。




続きます。
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なんでもない日記から漫画や小説の感想を載せています。
時たま二次制作も書いたりもしていますw( ̄▽ ̄)

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