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猫クロノ


ツイッターで緩慕したクロノ小話のお題の【猫化クロノ】

でもあんまり猫してないかも;



続きからどうぞー




 【この手紙を読む頃には君は自分の身に何が起こったかおおよそ理解し始めている頃だろう。そう、私は君にある呪いをかけた。その呪いを解きたければ指示されたミッションをクリアせよ。】

 そこで、手紙の一枚目は終わり、2枚目へ、と矢印での指示に従い紙をめくろうとして自分の手が視界に入り、改めて現状を認識させられる。否、そもそもそれは手ではない。クロノ本人としては手を動かす感覚なのだが見えているのは足だ。前足だ。黒い毛に包まれて肉球がついたネコ科の前足だ。足だけではない、先程目を覚まし、視界の高さや体の感覚の明らかすぎる違和感を確かめるため姿見を見れば、全身が黒猫へと変化していた。
 混乱したことは言うまでもない。久しぶりに自宅へ戻り一日オフをゆっくりするつもりが目を覚ますと黒猫になっていた経験などないのだ。少しは落ち着いて色々思考を巡らせるが、昨日までどころかここ一ヶ月を思い起こしてもこんな事態に至る原因に心当たりはなかった。そう思い悩んでいる途中で、机の上のこの手紙に気がついたのである。
 回想終了。
 とにかく、少しでも情報を得ようと―――この手でどうやって掴んでいるのか自分でもわからないが―――紙をめくる。

 【ミッション。八神はやてのパンティーをゲットせよ。】

 即座に書かれた紙を机に叩きつけた。
文面からこの手の悪ふざけの犯人はだいたい掴めた。が、それにより余計にクロノは頭を抱える。犯人の性格を考えれば、本当にこの条件をクリアすれば呪いは解けるだろうがこの方法以外では解けるようにはなってはいないはずだ。

 「にゃー……。」

 やるしかない。言葉もニャーとしか喋れなくってどうしようもないが。そもそもこんな事言葉がしゃべれてもどうしようもないのだが。
さんざん思い悩んだ挙句、意を決してクロノは外へと走り出した。




―◇―◆―◇―



 「(死ぬかと思った…………。)」

 家を出て数時間。犬に追われ、車に轢かれかけ、カラスに強襲され、子供たちに捕縛され、普段の激務がまるで楽なものだったと思える程の死闘を繰り広げようやくたどり着いた八神家を見上げる。
 チャイムこそ押せず玄関からは入れないが、幸いにして誰か在宅中らしく、一階の窓が開いているのを見つけそこから侵入する。

 「(開いていたのは好都合だったが、誰も出てきてくれるなよ。)」

 祈りながら、はやての部屋を目指し歩を進めるクロノ。祈りが通じたのかリビングに人気はなく、泥棒のような安堵の息を漏らし、そろそろと音を立てずに奥へと進む。

 「(こういうところは変身させられたのが猫で良かった……。)」

 なんだかある意味本末転倒な感謝を心の中でつぶやき進むクロノの耳に、ガタっと物音が届く。当然、慌てて振り返るクロノ。

 「(馬鹿な!誰もいなかったはずだ!?誰だ、シグナムかシャマルか!?)」

 一瞬誰に見つかった状況かを想定し、ザフィーラにガブリとやられるひどい結末を想像してしまったクロノは―――猫なりの―――臨戦態勢を取る。

 「なふー。」

 なんか、ぷにょっとしたのがいた。
いや、彼女のことをクロノは知らないわけではない。ナハトヴァールの残滓、先日発見され八神家に引き取られた、今は短くナハトと呼ばれる少女だ。
 正直、いまいちクロノは彼女のことが苦手である。何を考えているのかわからないからだ。
今も、黒猫の姿ではあるが対峙していて嫌な汗を感じている。

 「なふー……。」
 「ニャー……。」
 「なふ。な、な!」
 「ニャー?」
 「なふーーーー!!」
 「ニャーーーー!?」

 突如荒ぶりその長すぎる長髪を無数の蛇へ変化させ襲いかかるナハト。あまりに唐突な襲撃にクロノは今までの隠密行動を捨て一気に跳ねた。

 「(なんなんだ!?不法侵入の敵だと判断したのか!?)」

 その攻勢をかわしながらも思考を止めないクロノ。もっとも、彼女は攻撃しているのではなく、見たことのない動物にじゃれついているだけなのだが、彼女の半分もないサイズになったクロノには判断のしようがない。
無数の蛇の触手に逃げ場を塞がれついに捕まるクロノ。

 「なふー!なふふー!」

 思わぬ遊び相手にご満悦のナハトちゃん。興奮してさらに絡みつく蛇。もがくクロノ。

 「何を騒いでいるんだ?」

 諦めかけたクロノに銀髪の救いの女神が現れる。

 「あぁ、ダメだぞナハト。生き物にそんなことをしては。」
 「なー?」
 「さぁ、その子を放してあげるんだ。」
 「なふー……。」
 「いい子だ。」
 「ニャー……。(助かった……。)」
 「フフ、どこから入ってきたんだお前?」

 解放され、アインスに引き渡されるクロノ。抱きかかえられ頭を撫でられ猫の気持ちよさを堪能するクロノ。そこへ、予想だにしない言葉がかけられる。

 「ん?なんだ随分汚れているな。ちょうど良い、私も掃除で汗をかいてたんだ、一緒に風呂に入るか。」
 「フニャアアアア!」
 「ハハハ、こらこら暴れるな。なに、お湯を浴びれば気持ちよさがわかるさ。」
 「な!な!」
 「あぁ、みんなで入るとしよう。」

 朗らかな表情で、しかしクロノを抱きかかえる手はどれだけ暴れても微動だにせず、無力な一匹の黒猫である今のクロノには、彼女の連行に逆らうすべはなかった。




―◇―◆―◇―




 「なふー。」
 「気持ちのいい風呂だったな。」
 「ニャゥ…………。(何も見てない何も見てない何も見てない何も見てない何も見てない)」

 抱きかかえられながら今しがたの桃源郷の記憶を封印していくクロノ。そんな彼らをリビングで帰宅していたはやてが出迎えた。

 「あ、お帰りになっていらしたのですね、主。」
 「うん、ただいまアインス。お?どうしたんやその子?」
 「えぇ、どうやら迷い込んでしまったらしく、せっかくなので入浴のついでに一緒に綺麗にしようかと。」
 「ありゃー、そりゃもうちょっと早く帰ってくればよかったなー。ほら、こっちおいでー。」

 アインスの手からはやてにぬいぐるみのように受け渡されるクロノ。
 
 「あは、ザフィーラとはまた違う毛のなで心地やなぁ。」

 柔らかい頬をクロノの顔にこすりつけるはやて。そのあまりの行為にジタバタと抵抗するクロノ。

 「お?なんや~嫌がっとるんか~?えへへうりうり~。」
 「にゃーふにゃー!(やめろ、ほ、ほおをこするな!顔が近い!うわ、うわわわ!)」

 さらに混乱するクロノ。そんな彼の視界に先程は気がつかなかった、たたまれた洗濯物の山が映る。

 「(いちか、ばちか……!)」
 「あ、ニャンコさん逃げた!」
 「なふー!!」

 洗濯物めがけて、はやての手から逃れ洗濯物へと走る。
何度か見かけたことのあるはやての私服と同じ山にある縞模様の布をなるだけ見ないように口にくわえて、さらに疾走する。

 「(よし、これで―――!)」

 まだ開いていた窓から逃れようとするクロノ。しかし、結論を言えば彼は逃げ切ることはできなかった。下着を咥え駆け出した瞬間、急激に視界が変化し感覚が狂ってそのままこけた。

 「いたたたた。」

 起き上がり、自分のいつもの声に驚き思わず手で口を抑え、その行為ができたことにまた驚く。

 「も、もどった!」

 喜ぶクロノとは対象的に、突然の変化に呆然とするはやてとアインス。ナハトははなから理解できずに「なふー?なふー?」と不思議そうにクロノの周りを回っていた。

 「え?え?どないなっとん、これ?」
 「す、すまないはやて、ちゃんと説明するから!」
 「ちょ、私のパンツ握りしめて何を説明するきなん!?性癖か!?」
 「しない!って、うわ!す、すすすすまない!これは返す!」
 「男の子に握り締められたパンツ返されてどないせぇ言うねん!?ってアインス?」
 「黒猫がクロノ……黒猫がクロノ……黒猫と私は…………つまりクロノと私は……あああああああ!」
 「うひゃあ!アインスがおかしゅうなってもーた!」
 「落ち着け二人共!」
 「うあぁ、クロノーーー!」
 「落ち着いてくれーーー!」

 そして今日も平和に海鳴の一日が終わる。
ただし、八神家はその限りではない。












―◇―◆―◇―




 「うひゃひゃひゃ、あーこの間はおもしろかった。」
 「ちょっと悪ノリしすぎだよあれは。」
 「えー、アリアも楽しんでたじゃん。」
 「まーね。……ん?」
 「でしょー……んん?」
 「―――リィィィィゼェェ!!!」
 「おぉ、銀髪美女とお風呂に入ったクロノだ。」
 「年下女子の縞パンを盗んで逃げようとしたクロすけだ。」
 「うわぁぁぁいうぅなぁぁぁ!」
 「おっと、これは不味そう。逃げるか。」
 「だね、じゃーねークロノー。」
 「まてこらぁぁ!」



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テーマ : 二次創作小説(版権もの
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