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八神家の大晦日


今年一本目の更新。でもネタ的には去年なんですけどね。
タイトル通り、大晦日に八神家が揃ってだらだらするお話。なにげに勢ぞろい書くのは初、やっぱり人数多いと難しい……(~_~;)

拍手お返事のあと続きからどうぞー


>くろのさん

あけましておめでとうございます(^▽^)
そ、そんな初夢羨ましくなんかないんだからね!自分がよく覚えてなくてなんかドロドロしたデカイ何かががいたことしか覚えてないからってほんとに羨ましくなんかないんだからね!
…………と、とにかく。こちらこそ今年もどうぞよろしくです<(・∀・)/







 「みんな準備できたでー。」
 「できたですよー!」
 「なふー。」
 「ザフィーラ、外の将を呼んできてくれ。」
 「心得た。」
 「おぉ!今日は手巻き寿司だー!」
 「ホラ、ヴィータちゃん先に手を洗って。あ、シグナムあなたも。」
 「あぁ。」

 いつものテーブルではなく、テレビの前の机に広げられる具の数々と酢飯。それを囲むように座る一同。

 「では、主。」
 「ん。ほな、今年も一年お疲れ様。今日はテレビでも見ながらのんびりとしよか。そんな訳でかんぱーい。」
 「「「「「乾杯。」」」」」

 今日は大晦日。それぞれが忙しいながらも何とか今日と元旦に揃って休みを取れた八神家一同。掃除も買い出しも済ませ、あとはもうカウントダウンまでのんびりとするだけである。

 「へへへ、どーれーにーしーよーおーかーなー?」
 「こら、迷い箸をするな。」
 「いいじゃんかよー。」
 「良くない。ナハトを見習え。」
 「な?」
 「迷ってないんじゃ無くて卵焼きしか取ってねぇだけじゃねぇか!」
 「あはは、好きに取ればえぇんよ。まだたくさんあるんやし。なー、ナハト?」
 「なー!」
 「でもナハトはちゃんとお野菜も食べるですー。」
 「お前もな、ツヴァイ。カイワレを避けているだろう?」
 「あう~。」

 ちびっ子二人に野菜を巻いて渡すアインス。と言ってもナハトは卵焼きが好きなだけであって、別段野菜が嫌いなわけではないのでそのままモグモグと――――しかし実際は赤ん坊が哺乳瓶をくわえているように見える――――食べきり。再び大量の錦糸卵の山を崩しにかかる。一方のツヴァイはカイワレ大根の苦味にそのままを表情にだす。

 「やっぱり苦いです~。」
 「え~?そんなに?私は結構好きなんだけどなぁ。」
 「シャマルは味覚がちょっとおかしいんです。」
 「ちょ!流石に酷くない!?それにおかしいと言えばコッチの二人よ。」
 「ん?」
 「なにがだ?」

 指を指されながら、何の事かと首を傾げるシグナムとザフィーラ。そこで二人が持っている手巻き寿司の具の違和感にヴィータが気付いた。

 「なぁ、お前ら何喰ってんの?」
 「「ワサビ巻きだが?」」
 「なんで開始早々にそれなんだよ!?つーかワサビだけとかお前らマジか!?」
 「な、なんて恐ろしい事してるですか……!?」
 「これはこれで美味いんだがな。」

 カイワレの苦味すら耐えられないツヴァイには信じられないモノを平然と食べ続ける二人。

 「信じられないです。はやてちゃんのご飯をおいしいと感じれる味覚があるのに、そんなのをおいしいだなんて正気の沙汰じゃないです!餓鬼の如きおぞましさなのです!」
 「……おい、誰だツヴァイにこんな言葉を教えたのは?」
 「シャマルと一緒にお昼のドラマで覚えたです。」
 「お前な……。」
 「あ、あははは………。」
 「まぁ、いい。試しにおいしいから食べてみろ。」
 「い、いいです!」
 「大人の味だぞ?」
 
 その一言に恐れおののいていたツヴァイの表情が少し輝く。

 「お、大人の味、ですか!?」
 「あぁ、大人の味だ。」
 「……おいしいんですよね?」
 「あぁ、美味いぞ。」
 「で、では一口だけ。」
 「あぁ、ほれ。」

 差し出される手巻き。それを凝視するツヴァイは、既に笑いが堪えきれずに顔をそむけていて肩を震わすはやてとヴィータ、耐えながらも口元がひくついているシグナム達に気付くことなく、「あーん。」とゆっくりそれをかぶりつく。
 数秒、咀嚼。
 
 「っ!!!!!!」
 
 驚いた猫が跳び上がるかのようにビクッとのけぞり、口を手で押さえながら声にならない悲鳴を上げる。予想通りの展開に皆笑い転げて、ナハトは何を騒いでいるのかと首をかしげ、唯一心配そうに――――しかし、若干半笑いで――――水を差し出すアインス。それを受け取り一気に飲み干すツヴァイ。
 
 「うぇえぇん、酷いです、ゲホゲホ、シグナムが騙したですぅ……。」
 「言いがかりはよせぷくくく、これが大人の味だ。」
 「うぅー………!アインスー、シグナムが酷いですー!」
 「あぁ、よしよし。将、やりすぎだぞ。」
 「お前だって笑ってたじゃないか。」
 「それとこれとは別だ。」
 「つーかお前らがツヴァイのことを話すとほんと夫婦の会話みたいになるよな?」
 「ふ、夫婦じゃないぞ私達は!」
 「当たり前だ、何を本気で動揺している。」
 「冗談だってーの。ツヴァイが窒息してんぞ。」
 「あぁぁ!す、すまんツヴァイ。」
 「ふにゅ~。」

 ヴィータがこぼした言葉に過剰に反応して頭を撫でていたツヴァイを、豊満な二つの丘で押しつぶすかのような強さで抱きしめるアインス。
そんな彼女らの様子を見ながら、はやてはナハトを膝に乗せてけらけらと笑っていた。

 「いやぁ、でもほんま年の瀬に誰も風邪ひいたりせんで良かったわぁ。」
 「これも、日ごろの行いでしょう。まぁ、今のツヴァイも含めて。」
 「あはは、せやね。あ、ザフィーラもう空やん。はい。」
 「これは……ありがたく頂きます。」

 熱燗をザフィーラの持つ御猪口に注ぐ。それをグイっと飲む彼を見ながら、はやてはなんとなく、自分が持つ容器に鼻を近づけ、その香りに顔をしかめる。

 「ぐにゅ、うーんやっぱり私にはこれがおいしそうには思えへんなぁ。」
 「年を重ねれば味覚は変わると言いますから、主にはまだ早いかと。」
 「そうかぁ、煮物とかに使うのは平気なんやけどなぁ。」
 「それはまた別物ですよ。大人でもやはり飲めないものもいますし、種類の好みも違います。」

 それははやてにも理解できた。事実、今もザフィーラとシグナムは日本酒、シャマルはワイン、アインスは甘いチューハイをチビチビと好き好きに飲んでいる。種類を問わないのは身近なところでレティとリンディだが他の人の反応を見るにあの二人は特別らしい。

 「私がみんなとお酒飲めるようになるのはまだまだ先になりそうやねー。」
 「それは、先の楽しみと言う事にしておきましょう。」
 「そやね。――――ん?どうしたんナハト?」
 「なふー、な!」

 髪をヘビに変化させ器用にはやての手にあった容器を取り、ザフィーラの方へと差し出すナハト。一瞬二人でどうしたのかと思ったが、先ほどのはやてのマネをしているのを理解し、彼も残っていた分を飲み干し御猪口を差し出した。
 
 「頂こう。」
 「なー!」
 「フフ、今は飲めなくてもこれで楽しいからええな。」
 「ですな。」






-*――*――*-





 「りべんじです!」

 食事もあらかた片付き、満腹になったナハトがうとうとしはじめた頃、唐突にツヴァイが立ち上がり、シグナムを指差し叫んだ。

 「あべんじゃーなのです!」
 「どうした急に?」
 「さっきの復讐なのです!私と勝負なのですー!」

 どうやら先ほどのワサビの一件をまだ根に持っていたらしい。

 「お前もしつこいな……まぁいい。それで、何で勝負するんだ?」

 まだ年明けには時間があり手持ち無沙汰になっていたシグナムは二つ返事で了承する。
その素直な――――彼女はそう思っている――――反応に満足げに頷いてツヴァイはテレビを指差した。

 「アレです!」
 「む?」

 映っているのは大晦日恒例のお笑い番組である。特番ばかりの今日のチャンネルは多数決の投票によって決めたのだが、この勝ち取ったお笑いははやてが真っ先に提案し、シャマルと良く分からないがはやてが見たいならとアインスとナハトの四票、黒白歌合戦がシグナム、ザフィーラの二票。そして、意外な事に今年から始まったアイアンマンシェフなる料理番組をバラエティが好きなヴィータとツヴァイが提案していた。良く知らない番組ではやてが内容を聞いたところ。

 「すげーんだよ!全身パワースーツを着たシェフのオッサンが手からビーム出して肉とか焼くんだ!」
 「仕上げは調味料が入ったミサイルを全弾発射ですー!」

 聞いても意味が分からなかった。
 とにかく、そうして選挙を勝ち残りテレビに映されている番組は様々な仕掛けを用意されそれに笑ってはいけないと言う簡単なルールであるが、笑うとお尻を叩かれるという壮絶なルールでもある。

 「笑ってはいけない八神家なのです!」
 「え?私達もやるの?」
 「そうです!みんなリインがシグナムの罠に嵌るのを黙っていたのだから、同罪なのですー!」
 「それはええけど、リイン。どうやって勝負するんや?」
 「良くぞ聞いてくれましたはやてちゃん!」

 その質問を待っていたのか嬉しそうな表情を浮かべ用意していたらしい小道具をソファーの陰から取り出し――――その時アインスはツヴァイの教育のやり方を見直そうかとちょっと真剣に悩んだ――――勇者の剣のようにソレを掲げた。

 「ハリセンやな。」
 「さっき向うの部屋に行ってたのはソレを作るためか。」
 「これを順番に回して、その人が面白いことをするです!それで笑った人は、笑わせた人にお尻を叩かれるのです!」
 「お、ちょっと面白そうじゃん。」
 「なんで乗り気に成れるんだお前は……?」
 「えぇやん。みんなでゲームする事もあんまりないんやし。」
 「では、おねむなナハト以外は参加なのです!ではリインからいくのです。」

 言うが速いか、リインは皆に、特にシグナムに見せ付けるように両手で左右からいつもパッチリと開いている愛くるしい眼が糸目になるほど顔を引っ張る。

 「…………。」
 「…………。」
 「…………。」
 「…………。」
 「…………。」
 「…………。」
 「なんで誰も笑わないのですか!?」

 どうやらそれが彼女の思いつく面白い顔の限界だったらしい。彼女にとってまさかの展開に肩を落としながら隣にいたシャマルにハリセンを渡す。どうやら順番は座っている並びらしい。

 「えー、そうだなぁ、面白い事かぁ。」
 「お前は普段から面白いから何かしようとすると多分すべるぞ?」
 「ちげーねーや。」
 「あー、二人ともひどーい。」

 にやつくアタッカー二人のヤジにむっとしながら手持ちのネタを頭の中で選ぶ。

 「よし。」

 ハリセンを脇に置くシャマル。ヤジをとばしていた二人も笑わないように身構え口を閉ざす。
ゆっくりと両手を顔に近づけていき、皆が「また変顔か?」といぶかしむと急にババッと動きを速くし、左右の人差し指と中指だけを伸ばしておでこにそえて叫んだ。

 「シャマル、ビィィィム!!」
 「くっ、くははははは!」
 「ぎゃははははは!」

 真正面にいたシグナムとヴィータが盛大に噴出す。隣にいたアインスは良く意味が分からず、はやては笑いを堪える為に口を開いたまま明後日の方向を見ている。ザフィーラは流石の無表情である。

 「でで~ん!シグナムとヴィータちゃんアウトです~!」

 一番はめたかったシグナムが噴出しピョンピョン跳びはねはしゃぐツヴァイ。
 
 「な、なんだ今のはシャマル!?」
 「んー、秘密。」
 「意味がわかんねーぎゃははは!」
 
 未だに笑い続けるヴィータとシグナムに笑顔でにじり寄るシャマル。そこに来てようやく笑いもひいて、覚悟を決めて二人とも後ろを向く。

 「てい!えい!」
 「うぉ!」
 「ひゃ!」

 戦場でその姿を見た敵が震え上がる、烈火の将と紅の鉄騎の可愛い悲鳴が小気味の良いハリセンの叩く音と一緒にリビングに響く。

 「くっそぉ~……。」
 「これは…………思った以上の屈辱だな。」

 なまじ中途半端に痛みが少ないだけに余計に精神的に悔しい。二人がその屈辱にいよいよゲームにのめりこんできた所で、次はアインスにハリセンが渡された。

 「むぅ……面白い事、か。」
 「アインス、遊びなんだからそんな深く悩まないで、パッと思いついたのでいいから。」
 「お前、さっきのをパッと思いついたのか……?」

 そんなやり取りをよそに、アインスはそれでもしばらく悩み、そしてようやく決まったのか、よし、と正座に座りなおし顔を上げた。

 「それでは小噺を一つ。」

 落語かよ!と既に全員が笑いそうになりながら心の中で突っ込みどうにか堪える。

 「飯屋で話をしていたある男が言いました「俺はとても怖いものがあるんだ。」他の男がそれを聞いて尋ねた。「そりゃあ、なんだい?」すると男は口にするのも恐ろしいように「饅頭が怖いんだ。」と答えました。そのやり取りを聞いていた男が偶々注文していた饅頭を差出し「あんた、これが怖いのかい?」と聞くと、男は悲鳴を上げて周りの椅子やテーブルで囲いを作り隠れた。面白がった回りの人間は饅頭をその次々とその囲いの中へ饅頭を投げ込み、男が悲鳴を上げるので余計に盛り上がっていった。そして、囲いの外にいた男が言ったんだ。」

 そのオチに差し掛かるところで、アインスは一旦口を閉じ、溜めに溜めて口を開いた。

 「その囲いかっこいい。」
 「ぶはっ!」
 「えぇ!?はやて今ので笑うの!?」
 
 話の流れの意味が分からずきょとんとする守護騎士一同と違い、話の内容もオチも知っていたはやて一人がアインスの不意打ちに噴出す。狙ってではなく恐らく色々混ざってしまった結果であろうことがまたはやてのツボを刺激する。

 「今度ははやてちゃんがアウトですー!でで~ん!」

 ツヴァイ一人がはしゃぎ、ようやく笑いが治まったはやてはソファーに手をつきその可愛らしいお尻をアインスへと突き出す。

 「ほんじゃ、罰ゲームやな。」

 一瞬、意味が分からずポカンとするアインス。しばらくしてようやく笑わせた者が叩くルールだったと思い出した。思い出したのだが、今度はわなわなと肩を震わせ手にしたハリセンを見つめる。

 「わ、わわ私が主のお尻を叩く……?」
 「あ、アインス?さっきも言ったけどゲームだからね?」
 「で、でもシャマル。私が主のお尻にお尻がお尻を……!」
 「とりあえずお尻お尻言うなよ。」

 ヴィータの声も届いた様子も無く、彼女はジッと手の中のハリセンを見つめながらブツブツとつぶやき続け、そして。

 「たぁあ!」
 「うわぁ!なんで自分の頭叩きだしてんだよ!?」
 「とめてくれるなヴィータ!主に手を上げるぐらいなら私は自分でうわぁあ!」
 「ああああかんでアインス!」
 「貴様さては結構酔っているなだろう!?」
 「な!?なふーーー!?」
 「あぁ!ナハトが起きちゃって、ちょ、ヘビを出しちゃだめよー!」





-*――*――*-





 アインスを落ち着かせた頃には、時計の針も大分進みゲームは終わって皆で年越し蕎麦をすする。またツヴァイがやりたいと言い出さないようにチャンネルは変えて、除夜の鐘とつく人々の行列が映されていた。

 「うわぁ、みんななんでこの寒い中行列作って鐘を鳴らしに行ってんだろう……?」
 「あはは、そういう風情としか言えへんなぁ。」
 「明日行く初詣もあんなに人がいるんですか?」
 「そっか、リインちゃんは元旦に行くのは初めてになるんだっけ。」
 「正直、今テレビに映っているよりも人は多いぞ。」
 「そんなにですか!?リインもナハトも潰れちゃうですー!」
 「なー!」
 「ザフィーラに乗せてもらえば良いだろう。」
 「いや、流石にあの人ごみじゃあ狼状態で行くのは大騒ぎになるわよ?」
 「じゃあ人型になってリインを肩車して、ナハトは頭の上に乗れば解決です!」

 ザフィーラなら体重の軽い二人をそうする事も可能だろうが、それはそれで注目を集めそうではある。

 「あ、そろそろ日付変わりますよ。」

 シャマルの声に雑談していた一同の視線がテレビに集まる。表示された時刻を見れば後一分ほどで新年だ。

 「ほんなら、せっかくやから8から一人づつカウントダウンしようか。」
 「いいですね。では、主はやてがしめになるように――――」
 「ちゃうちゃう。最後のゼロは皆で揃っていうんや。」
 「――――はい。ではザフィーラからいくか。」
 「心得た。」

 そうして、テレビの中でもカウントが進み。

 「八。」
 「なー!」
 「ろーく。」
 「5。」
 「よん!」
 「3です!」
 「2。」
 「いーーーち!」

そして、ゼロの声と歓声と共に、八神家は平穏に新年を迎えるのであった。


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テーマ : 魔法少女リリカルなのは
ジャンル : アニメ・コミック

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Author:ヒカワ・カイト
なんでもない日記から漫画や小説の感想を載せています。
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