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久々にクロフェ


思いつきにも程がある。
1000字ちょいの短いネタです




 となりに引っ越してきたテスタロッサ家の人たちはどこかおかしい。
 そうクロノが確信的に思うようになったのは彼女らが越してきて3ヶ月になろうかという頃だった。
 例えば母のプレシア。
 普段は大人しながらも閉鎖的というわけでもなく、リンディやレティとママ友会と称して食事に行ったり、泊まりがけで出かけたことさえあるが、彼女が一人夜更けと言うにも遅い時間帯に黒いローブを身に纏い出かける姿を勉強でたまたま起きていたクロノは何度も目にしている。
 例えば飼い犬のアルフ。
 どう見てもそこらへんにいる子犬なのだが、鋭い視線を感じることがあると決まってこの犬が視線を感じた方にいるのだ。さらに言えば、夜中に遠吠えが聞こえることがあるのだがその声もとても子犬のものと思えない。
 例えば姉のアリシア。
 快活、という言葉がそのまま性格になったような少女。好みもやりたいこともハッキリと言い、行動する彼女にはであって数日のうちにさんざん振り回されさんざんに思い知らされた。だがその遊びまわっている中でその―――年の割に―――小柄な体からは想像もできないような身体能力を見せつける時がある。

 「え、ま、マグレでうまくできただけだよ~。ほらあれだよお姉ちゃんパワー!」

 などと可愛らしく照れながら本人は言い訳するがお姉ちゃんという理由で10メートルもジャンプして会心の打球をキャッチアウトされては堪らない。
 そして、次女のフェイト。
 姉のアリシアに容姿こそ似ているものの性格は大人しく、初めて挨拶したときは最初自分よりも体の小さいアリシアの陰に隠れていたほどだ。まぁ、すぐに打ち解けて仲良くはなったが最近彼女が時折熱ぽいというかぼぅとこちらを見つめていることがある。僕がどこかで擦りむいた傷を見たときなど見るからに動揺していた。どうかしたのかと問いかけてもなんでもないと姉と同じように否定していた。その時はなんとも思っていなかったのだ。

 「クロノ……。」
 「フェ、イト……?」

 今こうして彼女が仰向けに寝ていた僕の上にちょこんと座り、あの時と同じ瞳で見られるまでは。
 
 「き、み、何、して―――?」

 理解ができなかった。否、単純に夢だと思った。当然だ、視界に入る時計が狂っていなければ今は夜中の3時で自分は寝ていたはずで彼女が部屋に、もっと言えば自分の上に座っているわけがない。ないのだが、熱を帯びた彼女赤い瞳からの言い知れぬ圧力が現実だという事実を否応なく押し付けられているのが現状だった。

 「くろの、ごめんね?」
 「フェイト、何をして、いるんだ……?どいて、くれ。」
 「うん、だからごめんね。」
 「フェイ―――。」
 「ごめん。」

 口では謝罪しながらも、だんだんと首筋に顔を近づける彼女に普段のおどおどした様子はない。

 「もう、がまんできないや。」
 「っぅ!?」

 動かない体に痛みが奔る。見えはしないが感覚で分かった、今、彼女は首に噛み付いたのだ。その犬歯を皮膚に突きて、刺し、水漏れのように出てきた血を子猫のように舐める。

 「ぴちゃぴちゃじゅるちゃ。」
 「―――…………!!」

 自分の血液が飲まれているという状況も思いもしなかったが、それが凄まじく気持ちいい。漫画などである脳に電撃が奔るとか現実が遠くなって花畑を見るとか、そんな現象が本当に起こるのではないかという程の快感だ。声すら上げられない。

 「はい、そこまでだよフェイトー?」

 声が聞こえて、フェイトが頭をどける。と同時に遠くなりかけていた感覚が戻り、体の自由も戻った。

 「ごめんねークロノ?大丈夫かな?」

 覗き込んできたのはいつもと変わらない明るいアリシアの声。

 「ごめんなさい、ごめんなさいクロノ……!」

 フェイトはといえば先程までの妖艶な態度が嘘のように耳まで真っ赤にした顔を両手で覆いひたすら誤っている。

 「アリシア、これはどういう事なんだ?」
 「う~ん、どう説明したものかぁ……とりあえずね、私たちは吸血鬼なの。」
 「………………は?なに?」
 「吸血鬼。ヴァンパイア。ドラキュラー。」

 ほら、と指で自らの口を引っ張ってソレを見せる。可憐な口の中に、犬歯、と呼ぶにも大きな牙が二本。まさに、絵空ごとに描かれる吸血鬼のそれである。

 「で、色々説明しないといけないんだけど、最初に言わなきゃならない大事なことがあるの。」

 吸血鬼であるという告白以上に何があるというか。そう僕が言う前にアリシアが口を開く。

 「私たちの掟ではね、初めて血を吸った異性と結婚しなければならないの。」
 「…………………………はぁ!?」

 一瞬、今の話との関連性がわからず、そして一瞬で今の流れから意味を汲み取り素っ頓狂な悲鳴を上げて思わずフェイトを見やる。
 彼女は顔は変わらず真っ赤で、指の愛だから涙目のように潤んだ瞳を覗かせ、

 「ふ、ふつつかものですが、よよよろしくおねがいします。」

 と、パンク寸前の僕の脳に止めを指すのであった。 










【次回予告】

 ひょんなことから吸血鬼の女の子と婚約したクロノ。
彼本人を置き去りにして進んでいく状況!始まる同棲!お風呂でばったり!並んだ枕!
しかし、そんな彼らの前に最強の敵が現れる!

「うふふ、異教徒も怪物も皆殺しなの♪」

 迫り来る白い聖職者の圧倒的戦闘力に対する術はあるのか!?

次回!『VAMPIRE HUNTER』

 クロノの歴史がまた一ページ。
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なんでもない日記から漫画や小説の感想を載せています。
時たま二次制作も書いたりもしていますw( ̄▽ ̄)

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